美しい演奏のためのヒント
美しく演奏するために、日ごろ生徒さんにお伝えしていることを、少しずつこちらで紹介していきます。
テクニックの話だけでなく、曲の解釈など少しずつ加えてゆければと思っています。
★★ 弓を持つ手の重要さ★★
私の生徒さんには「やっぱり」と言われそうですが、弓を持つ手がなによりも重要です。力を抜いて弓が動かせないと、絶対に硬い音になってしまいます。プロの演奏家でも右手が硬い人を見かけますが、正しい練習方法で根気よく練習を積み重ねなければ、自由自在に弓を操れるようになりません。力を抜くのは難しいこともありますが、色々な説明を引き合いに出してこつを覚えてもらいます。例えば、お箸を持つように、またポットからお湯を注ぐ動作で。どちらの動作も、無意識に、食べ物を口に運んだり、腕をスッと自然に伸ばしてお茶を湯のみに注いだりできます。スポーツでも同じです。テニスラケットで、ゴルフクラブで、力をいれずに自然に振るときが、一番コントロールの効いたボールを打つことができます。
小さい生徒さんには、クセがついてしまう前に何度も何度もレッスンのたびに言いますし、大人の方にも、右手を直してもらうだけで、ずいぶん違った音が出るようになります。
プロの演奏家でも客席から見ていると、右手の硬い人、硬くない人が色々いるのが見えます。機会があれば、観察してみてください。やはり柔軟に右手を動かしている人の音は柔らかく、音の表情も豊かで、ずっと聴いていても飽きません。